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赤外領域レーザによる脳組織蒸散時の温度モニタリングシステムの開発と有用性に関する研究

現状の脳腫瘍除去手術においては、高出力レーザ治療器を用いての組織蒸散は行われていない。我々は、昨年度より用手的脳腫瘍除去用手術システムにEr:YAGレーザ(波長2.94μm)を用いることが有用であると考え、レーザ照射中のモニタリングを構築してきた。本研究では、脳組織蒸散時における周辺組織への熱的影響を検討するため、温度モニタリングの測定精度の向上を目的として、Er:YAGレーザに加えてCO2レーザ(波長10.6μm)を用いた測定、評価を行った。





汎用データベースソフトを用いた医療機器管理データベースシステムの独自開発と運用

近年、医療現場の一括電子化に伴い、医療機器の管理体制は、データベースシステムにに移行しつつある。臨床工学技士の業務である医療機器の保守点検管理が、これまで用いられてきた紙媒体を主とする管理・記録から電子化され、トレーサビリティの向上に役立っている。現在、各社から市販されている医療機器管理データベースソフトのメリットとして、電子カルテとの連携などがあげられるが、ランニングコストが高価なことや、施設独自のシステムに柔軟に対応することができないというデメリットがある。本研究では、市販されている医療機器管理ソフトのデメリットを改善すべく、汎用データベースソフト(FileMaker Pro11 Advanced)を用いて、コストを抑えた柔軟なシステム開発を行っている。今年度は使用者情報の手入力やボタン操作時のヒューマンエラーを減らすことを目的とし、システムの再構築を目指した。

導電結合型対極板の温度管理システムの作成

電気メスは、手術において需要の高い機器だが、現在でも種々の事故が起きている。電気メス本体には、患者熱傷防止機能として対極板装着面積を認識して、熱傷を未然に防ぐ関節的な監視方法が備わっている。本研究では、熱傷事故を未然に防ぐために、対極板のリアルタイム温度測定モニタの制作を目的とした。



除細動器のデータ管理プログラムの開発

臨床工学技士にとって医療機器の点検・管理は重要な業務である。近年では電子カルテを筆頭に管理データをデジタル化する傾向がみられるが、波形データなどの文字情報以外のデータは課題が多い。本研究では、ICUや救命室、病棟に設置されている除細動器やAEDの危機管理に着目して、出力波形をリアルタイムでデータ化し管理・保存することで機器管理のデジタル化とその有用性について検討した。


電気回路シュミレータ付き国家試験学習教材の開発

臨床工学技士国家試験において、医用電気電子工学は一割上の割合で出題され、欠かすことのできない分野となっている。PC上で動作する回路シュミレータを使用すれば、研究室や自宅でも容易にそれぞれの習熟度のレベルにあわせて電気電子分野の勉強ができる。本研究では、国家試験の過去問題から図付きだけでなく、文章のみの問題から回路化を行うことで、シュミレーション可能な学習教材の作成を試みる。